第19回/2009年度 
高円宮賞(小学生部門)
『さりげないエコ』

秋田県
横手市立増田小学校5年生
後藤 ゆうひ/Yuhi Goto

  

 私の住所は、秋田県横田市になってるけど、本当は「銀河国太陽系県地球市日本」です。

 横手市は雪が多くて、その中でも私の家は学校から一番遠くて、ケータイは通じないし、テレビは映らないし、とても不便です。

 でも、地球市だって考えれば、宇宙一便利な町に住んでいると、パパが教えてくれました。パパは星が大好きで、一日一回は家族で夜空をながめます。星座の名前も天気図の読み方もパパから教わりました。

 宇宙一住みやすい場所にある地球が、この頃大変です。街灯がない山の中だから星がよく見えていたのに、黄砂が飛んで来て見えない日が増えてきました。春の運動会の前は校庭の雪消しをしていたのに、今年は入学式も卒業式も雪のない日にやれました。雪が少ないと楽だけど、水不足になってタネまきや田んぼの準備が大変です。私の家の周りは農家が多いので、去年は売れないリンゴやモモをいっぱいもらえました。水がほしい時に雨がふらなくて、いらない時に大雨になって、落ちたり割れたりしたからです。

 水だって大変です。都会のように上水道も下水道もないけれど、井戸や湧き水や沢水がいっぱいあって、おいしい水を飲めていました。あちこち止まったり、化学物質で汚れてしまって飲んではいけないと言われたり、安心できなくなりました。

 鳥も虫も、変な形のが生まれることがあります。水泳部の練習で一時間泳いだだけで、やけどしたみたいになります。太陽も空気も変になったみたいです。自然がいっぱい残ってる田舎に住んでいるのに、変です。大変です。何とかしないと地球がこわれる!

 大急ぎで何とかしないといけないのに、みんなのんきです。それかわざとらしいかどっちかです。たとえば学校で歯みがきの時、水を出しっぱなしにする子がいます。大切に使うのが当然なのに、じゃ口をしめてやって、「私は地球に優しいことしてるの」っていばる子がいます。いいことしてるとか、特別なことをしてるとかじゃなくて、さりげなくみんながやれるようになればいいのに。

 服とか図工のアイディアとかを友達にマネされるのはキライだけど、「さりげないエコ」をマネされるのは、私も地球もすごくうれしいと思います。

 私はこれからも、横手市じゃなくて地球市に住んでいると思って、水や空気を汚さないように生活します。