2002年度特別賞(中学生部門)〜こんにちは、ctcしませんか?

「こんにちは、ctcしませんか?」 なんか聞きなれたことば。そうです、それはインターネットのチャットルーム用語で、チャットをしませんかという意味です。ちょっと思ったんですが、母なる地球もオンラインが繋がったら、たぶん言うんじゃないでしょうか、「こんにちは、ctcしない?」って。

環境保存は、本当に今日の大きな世界的な問題の中で一番白熱した議論がされているものでしょう。環境を大切にしようという組織が、地方、世界を合わせて少なくとも20はあります。それなのになぜ、臭いは言うまでもなく、死んだように動かない、きたない川や、ごみくずがいっぱい散らかっている通りが私の町にはあるのだろうか。皮肉にも、去年、このまちはフィリピンで一番きれいで、緑にあふれた町だと誉められました。もし本当にこの町がそうなら、他の都市はどんなことになっているのでしょうか。

私たちの市は高台のうえに建っているので、この一帯では洪水はあまりおこりませんが、島のとなり近所の町や市を調べてごらんなさい。雨季にはひざからウエストの高さくらいまでのプールのような場所が出現します。このことはたとえば寄生虫といった、重大な健康問題に発展します。暖かい季節も問題です。水不足です。これは主として、分水界の場所が不足していることが原因です。森の1%しかカバーしていないのです。

でも、周りを見回して見てください。問題は大地のほうではなくて、水のほうなのが分るでしょう。私は6年生の時に、学校の行き帰りに、煙を吐き出す車のナンバープレートのリストを作りました。1日に20台もリストにつけることが出来ました。そのうちの3分の1は 本当に不快な煙を吐いていました。そこで私は思いました。百科事典にでてくる平均寿命なんて信じないと。こんな環境では、ぜったい長生きは出来ないと思ったからです。

「はは、」って、そんな考えを笑いとばすことができたはずだった。でも恐ろしかった。ここでおこっていることは、世界からみれば、きっと、ほんの点でしかないことでしょう。私たちが今日経験している環境の危機は私たちを怖がらせたのではありません。逆にそのことで私たち、特に若者は、自分たちの唯一の家を護ることに参加しなければという気になったのです。

母なる地球を保護するために私たちがしなければいけないことをするということは、何も汚染反対の大きな集会に参加することでもないし、地球回復のためのコンサートに参加することでもないのです。

実際、私個人としては、生態を大事にするための大きな企画ー「森林を養子に」計画ーを持っています。森に変える土地を買うための基金をあつめる計画です。でも本当は、小さなことから始める方がいいと思うので、母なる地球を救う作業はそんなに難しい事ではないと思います。

一つ、信じていることがあります。それは宇宙船地球号のすべての乗客に本当に必要なのは規律だということです。ゴミの山が出来るきっかけは、たった1枚のキャンディの包み紙を「ゴミを捨てない」という掲示板の近くにぽいと捨てることから始まったりするのですから。それが100枚になり、やがてゴミの山が出来るとういわけです。もし各人が「ゴミを捨てない」という掲示板をちゃんと読んで、言うことを聞いていれば、今ごろはその場所はきれいなままでしょう。

ですから、何処にでもくずをぽいと捨てる前に、「一人にとっては小さなごみでも、人類にとっては大きな問題。」という言葉を思い出してください。

一番有名な伐採問題の解決法は木を育てることです。木は本当に有益です。特に私たちの肺にとって酸素を供給してくれるので。でも、大規模な植林運動に申し込みをする前に、まずは自分の家の裏庭に1本の木を植えることから始めたらどうでしょう。大規模植林に参加した私の経験から言えば、ほとんどの木は結局は枯れてしまうのです、誰も世話をしなくなるから。1本の木から始めれば、世話をすることはそんなに大変なことではないと思うのですが、どうですか?

他の有名な解決法としてはリサイクルがあります。私の家では, 家族が集めた使用済みの紙、古い本やノートや新聞や雑誌などが、くず屋さんに売られていくのを待っています。紙は木から作られていることを思い出してください。ですから、紙をリサイクルすることは、森を守ることを意味します。

最も注意が必要なのはプラスチックです。プラスチックは非生物分解性物質、石油精製品なのです。ということは再生できないエネルギー資源を使って出来ているわけです。このことは、プラスチックのリサイクルが非常に大事なことを意味します。ですから、プラスチックの容器もくず屋に売りましょう。そうすれば地球は救うし、同時にお金も稼ぐことになります。

環境を科学的に調査する国際的な機関の調べでは、 21世紀の問題として、淡水の不足が50ヶ国以上の国で、温暖化の次に問題だとしています。 (タイム誌、157号 N0.19) 勿論、海水を真水にすることはできますが、費用がかかります。

淡水が不足しているからと言って、地球の水がなくなっていくことを意味しているわけではありません。水の供給サイクルが人間の活動についていけないということです。言い換えれば、人間は自分では水の供給を確保できないということです。

家の中で一番私たちができることは、飲料水をできるだけ汚さない形で排水することです。水を意識して使わなかった場合を想像して下さい。渇水、砂漠化、作物は枯れる、食料が不足、そして最後の時がくる・・・。

大気汚染は都市にとって重大な問題です。私たちの肺を病気にするばかりか、地球温暖化現象を起こし、オゾン層に大きなの穴をあけます。私は、タバコをすう人は喫煙を止めるべきだと思います。一服のたばこには、最大70個のいろんな有毒が含まれていて、これがタバコを吸う人の肺をおおうだけでなく、たまたま隣で煙を吸った人もこの害を受けることになるからです。

良くない排気ガスを少しでも減らすために、お父さんや運転手に無鉛ガスを使って運転するように忠告しましょう。ヘアスプレーのようなエアゾールを買うときは、CFC(フロンガス)が入っているかどうかチェックして、入っているときは買わないようにしましょう。そんな科学薬品はオゾン層を破壊してしまうから。

人間1人でも、組織1つでも、単独では地球を救うことは例外なく出来ません。

地球は1つしかない、そしてそれが私たちの唯一の家であるとき、私たちがその地球の世話をしないと困るのは誰だと思いますか? 時計はカチカチと進んでいます、そして私たちは一歩一歩破壊のほうへ向かって進んでいきます、今世話を始めない限り。 「ctcー care to care? ねえ、世話をしませんか?」

2002年 特別賞(中学生部門)
フィリピン ネグロス・オキシデンラル・サイエンス中学 3年 アーレネ・M・ アベラー