僕は自分の住んでいる街がとても好きだ。
マンションのベランダに立つと、近くにチョンゲ山が見え、辺りを見回すとウミョン山のすそが手に取れるかのように近い。まだ冬の気配が残っていて緑は荒涼としているように見えるが、もう少しすれば僕たちに緑の幸せを抱かせてくれるであろう。このような緑は、僕たちが澄んだ空気の中に住んでいるという精神的癒しを与えてくれるほどなのである。
僕たちは最近、自分の家族に楽しみをプレゼントしてくれる大切な存在を発見するようになった。ずっと前からそばにいたのに、あらためてありがたさを感じさせてくれる場所、それはヤンジェ川である。
日ごろから健康状態があまり良くない母が、運動を兼ねて昨年からヤンジェ川を散歩することにしている。最初は大変だと言っていたけど、きれいな空気とまわりの雰囲気が健康に大いに役立つと言っている。僕も弟と一緒について行ってみると、特別な気持ちを持つことができた。散歩に来たたくさんの人々に挟まれて歩いてみると、心配事がなくなって気持ちが晴れ晴れとしていく。きちんと整備された道路や周りの景色は、運動をしなくても大きな楽しみを与えてくれる。1年生の国語の教科書で勉強した植物を見つけた。たくさんの野生の花を見るのも楽しい。
数年前に橋の上から見下ろしたヤンジェ川は、汚い生活排水が流れる川でしかなかった。しかし今では、澄んでいてきれいな市民の休息の場所を象徴する存在にまでなった。昨年の夏に起こった洪水の後でしっかりと浄水をしたせいだろうか、散歩道のまわりにはゴミがほとんど見えず快適な雰囲気がきちんと維持されていた。目に見えないところで苦労をしてくださる方々に本当に感謝したい気持ちだ。
歩き続けていると犬のフンが落ちているのが見えた。犬を連れて散歩に来た人が後片づけをしないでそのまま行ってしまったようだ。今までの愉快な気分が壊されてしまった。たくさんの人の苦労によってできあがった空間を、このようなおかしな人々がダメにしてしまう。
韓国人は与えられたものに対する感謝の表現が足りないと思う。消えてしまってから後悔し、それがどれだけ大切なものであるかに気づくようである。壊すことは一瞬だが、それを回復させるには長い時間が掛かるということを理解しなければならない。僕たちは自然が代価なしに与えてくれる恩恵を、地球をきれいに保つことで返さなければならない。
家に帰る道のヤンジェ川は、夕日を浴びてより美しく見える。この姿が長い間保たれれば素晴らしいと思う。
地球は美しい心を持った命なのである。
002年 特別賞(中学生部門)
韓国 ヨンドン中学校 2年 チン・ユンシク