2002年度審査委員長賞(小学生部門)〜地球へのおもいやり

「捨ててこようか?」

わたしは、時々ゴミ捨ての手伝いをします。いつもゴミ捨て場には、ふくろに入ったゴミが山のようにたくさんつんであります。わたしの家も六人家族なので、毎回四~六ふくろほどのゴミを出します。

「みんなで出すから、ゴミすて場いつもいっぱいだね」

わたしは、ゴミ捨て場からもどってきてなにげなくこう言いました。そしたら、おばあちゃんがふしぎなことを言いました。

「昔は、みんなでゴミを出しても今みたいにたくさんのゴミは出なかったよ。」

どうしてだろう。昔の人だってごはんは食べるし、買い物だってするに決まっています。だからゴミだって出るのが当たり前なのに。

でもそれは、おばあちゃんに昔のことを教えてもらったら少しずつですがわかってきました。たとえば、しょう油を買うときは一しょうびんを、豆ふを買う時はなべを持っていったそうです。なるほどそれならよけいなゴミが出ないなぁと感心しました。中でも一番おどろいたのは、おかしの買い方です。わたしは、おかしが多すぎてとちゅうであきて、残してしまうことがよくあります。でもおばあちゃんが、わたしくらいのころには、計り売りでつつみ紙も今のように何まいもつつんでいなかったそうです。今もそうだったらいいのになと思います。そしたら、おかしだってつつみ紙だってむだにならないぞ。

「みんなゴミを出さないように注意していたんだね。」

わたしが感心してそう言うと、

「そうかもしれないけれど、物がそれだけなかったんだよ。だから大事に使ったの。」

ドキッとしました。物が多くなってべんりに使えるようになったのに、ゴミがふえてしまったなんて、とても悲しいと思います。でも、もしみんなが少しでもいいから、思いやりを持つことができたら、ゴミはへっていくかもしれません。そして、みんなが自分達の住んでいる地球を大切にしたいという気持ちがあれば、たとえ物が多くあったとしても昔よりもゴミは少ない社会にできるかもしれません。

わたしも地球の一員です。ゴミとして捨ててしまう前にもう一度考えてみたいと思います。紙パックやトレイはお店に持って行きたいです。生ゴミはひ料になるそうです。買い物用のビニールぶくろだって、自分でふくろを持って行けば、何度も使えます。

身近な人に思いやりを持つように世界中の人が当たり前のようにかんきょうにやさしくなればいいなぁ。そしたら、わたしがおばあさんになった時、

「昔よりも、全然ゴミがないね。」

と言えると思います。そしたらすごく素敵です。

2002年 審査委員長賞(小学生部門)
福井県 小学校4年 小牧 泉希