雑誌を読んでいたら、こんな記事が目に留まりました。ウミガメが、海に落ちた風船を大好物のクラゲと間違えて食べて、ちっ息死してしまうことがよくあるというのです。海に落ちた風船は、海水で色が消えて、クラゲそっくりになるのだそうです。ビニール袋などもそうです。私も風船は大好きで、縁日でよく買ったりします。手から離れて悲しい思いをしたことも何回かあります。でも、その風船のゆくえなど考えたことがありませんでした。まして海に落ち、ウミガメのえさに間違われ、多くのウミガメを死に追いやることがあるなどとは想像もつきませんでした。
人工的な公害や大規模な環境破壊のことについては、新聞やニュースで知っていても、このようにもっと身近で何げないものの中にも、危険なことがあるのだということを、私はもっと知らなくてはいけないと思いました。
私はボランティア活動として、地域のゴミ拾いの他に、毎年海岸清掃に参加しています。
ほんの少し歩いただけで、大きなビニール袋いっぱいのゴミが集まります。大量の空き缶やペットボトルなどはもちろんのこと、蛍光灯やタイヤや壊れた自転車が捨てられていたこともあります。大量のゴミを目の当たりにすると、見つからなければ何をしてもいいんだという安易な考えを持っている人がなんと多いことかといつも驚かされます。そして、この話を知ってからは、ビニール類のゴミを見ると、とても複雑な気持ちになりました。
私達は、地球の環境を汚したり、壊したりすることなしに生きていくことはできません。豊かな生活のためには、森林を伐採することも、様々なエネルギーを使うことも必要です。空気や水が汚れたり、ゴミが出ることもあります。人類の発展のためには、自然と無関係でいるより、自然に頼り、自然を犠牲にしなければならないことの方が多いでしょう。
しかしだからと言って、人間がそれを当たり前に感じた時、地球はもう危機にあるのです。自然の恵みに感謝し、無理や無駄をなくし、犠牲を最小限にする努力をしてこそ、この地球で生きていく資格があると思うのです。
大きい視野で考えれば、地球は私達の家です。そして、動物も植物も私達の家族です。
自分の家を汚したり、壊したりする人はいないでしょう。家族を苦しめたり、殺したりする人はいないでしょう。そうであれば、地球の家長である私達人間は、家や家族を守っていく責任があります。それは、環境問題を考え、それを実行していくことなのです。
今の私には、清掃活動や節約やリサイクル、呼びかけ活動などささやかなことしかできませんが、いろんな情報を得て、地球の現状に目を向け、あるべき姿を考えていくことは無限にできます。みんなの意識が少しずつでも変わっていけば、必ず大きな変化が生まれます。まずささやかな一歩を踏みだしましょう。
さあ子供達、あなた達の大切な風船を飛ばさないように、しっかりに握っていてください。
2002年 優秀賞(小学生部門)
新潟県 小学校6年 河合 麗子