それは、日差しの強い午後だった。わたしは大通りをぶらぶらしていた。太陽にじりじり照り付けられて喉が渇いて堪らなくなった。そこでアイスドリングコーナーへ駆けつけアイスギャンディを買った。いつもと同じように、包装紙を剥き、軽く手を振ると、その包装紙は風の勢いにのって飛び、自然に地面に落ちてしまった。その時これは私にとってかなり慣れた仕種に過ぎなかった。それに、恥ずかしいとか自責などをちっとも思わなかった。私の頭には環境保護という概念や意識がまったく存在していなかった。逆にこのようにしたのは私だけではないと思った。依然として平気で歩き続いている。
その時、誰か私の後ろをたたいた。振り返ると、かわいい女の子だった。腰を曲げて笑顔で彼女に「お女ちゃん、用事があるの」と私は聞いた。彼女は「あのアイスの包装紙は貴女のですか」と、すこし離れたところにある、先ほど私が捨てたアイスの包装紙を指しながら言った。私は暫く迷ったあとに、微笑のままで「はい、そうです。私のです」と答えたけれども、その話が口を出た後に、すこし後悔していた。あの女の子はあちらへ走っていった。小さな手であの包装紙を拾って、側にあるゴミ箱に入れた。私は不思議に彼女の一挙一動をじっと見ていた。
続いて彼女は私の前に戻ってきた。天真な口ぶりで「ママがゴミをむやみに捨ててはいけないと私に教えてくれました。そのようにしたら環境が破壊されてしまいます。あなたもこれから捨てないで下さいね。」と言った。すると、私の胸は「五味瓶」が倒されたようにどんな味か分からなかった。周囲から無数の鋭い目付きに刺さられてしまい、逃げようと思ったが、両足が動けなく、ただ一筋立ったままだった。目の前に先ほど発生したことが次から次へと映された。女の子が言った話しは何千回聞いたことがあっても、このように自分を震撼させたことはなかった。
目の前に、天空を漂っている白色ゴミとか、自宅の前を通る汚くて臭い小河とか、ぐんぐんと天空に昇っていく黒い煙とか、黄砂が発生するときの土色の世界とか、最後に私が捨てたあのアイスの包装紙の画面が浮かんできた。これらのことを考えると、私はすっかり目覚めた。過去に自分のやった環境破壊のすべての行動に対して慙愧と自責を深く感じた。再び頭を上げた時、女の子は既にいない。大通りがいつもと同じ、地面に捨てられたあの包装紙がなくなって、非常に綺麗に見える。手にあったアイスギャンディはもう細い棒だけになった。私はゴミ箱の前に来て中に入れた。
今日になっても、時々あの女の子を思い出す。彼女は自分の行動で私の心を浄化した。あの女の子と母親が神様から派遣されてきた、すべての人々の心霊を浄化すると同時に地球を浄化する環境保護の使者だと私が考えたことがある。
あれから私の心に、あの純粋な土壌に環境保護のタネが埋められた。それは成長しつつあり、永遠に枯れはしない。環境保護の使者が常に水をかけて守ているからだ。
本来、環境保護は難しいことではない。それはあなたの一念差の間にある。手元のゴミを地面に捨てずにゴミ箱に入れれば環境保護をし、地球の心霊を浄化させられる。身の回りの小さなことからやっていこう。そうすれば地球は必ず再び純潔で綺麗になる。
中 国 北京第二中学校一年 王 女尼