私はそっと裏口から家を抜け出した。母が見つけないように、猫泥棒のように家の周りをこそこそするなんてばかげていると思ったけれど、子供じみたことでも良いことをしているんだから、良いのよ、と思って自分を納得させた。
「マリニ、いったいどこに行く気?」母の声が静けさを打ち破った。私は、「15分前に言われたように、ミルクを取りに行こうとしているの」と言ったが、見つかっていらだっていた。母が次に何を言おうとしているのか、今までに何度も言われ続けてきたので空で覚えるくらいに分かっていた。「お願い、お母さん、あの瓶をお店まで持って行かせないで。もう本当に恥ずかしいんだから、それに皆が私のことを、町で道に迷っているカウガールのようだ、って言うの。」私は母に私のトレードマークのたらの漫画を渡して、なんとか考え直してもらおうとした。「どういう気持ちか分かってますよ、でもね、それをさせるのには理由があるのよ。」と母は微笑ながら言いました。「一つはね、使用済みの瓶を使うことでとっても倹約になるの。瓶代を請求されないでしょう?2つ目は、そして最も大事な点は、もしあなたが使用済みの瓶を使わなかったら、瓶は埋立地にほったらかしにされて野積みにされるだけなの。学校でこんなことは習ったのんじゃないの?」
2ヶ月前のことです。母の思慮分別のある良識的な言葉は、私に光明を与えてくれました。近所の男の子たちは今でも私のことを笑いものにしますが、私の親友のヴィヴィアン、サマンサ、そしてベンは、一緒に出かけたときの私の格好がおかしくても私のことを応援してくれています。このことは救いです。でも『類は類を呼ぶ』って言うでしょう?
今や私を含めて家族や友人たちは、自分たちのことを「リサイクル屋」と呼んでいます。私たちは、『グリーン計画』という私のお気に入りの仕事を始めました。これは、基本的に地球を救って同時に何かしらの利益を楽しもうという計画です。
たとえば、新聞やそのほかにも紙製品を捨てたり、ゴミ捨て場に埋めたりする代わりに、回収して、近所に来る廃品回収屋さんに売る。そこは紙の重さでお金を支払ってくれます。両親は寛大にもストックした新聞の1/4を私がオーナメントを造るのに使わせてくれました。私はお気に入りの漫画のキャラクターの紙人形を作りました。
私の部屋を見てください。私の芸術作品でいっぱいです、それに兄弟が作ったのも少しあります。紙人形は作るのが面白いだけでなく、アートの授業でも良いお点をもらうことに役立ちました。
水と電気、これは人間にとって非常に重要な資源だということは誰でも知っています。でも、それを節約することを学ばなければ、浪費が起こり、請求書はものすごく高くなります。というわけで、父は常に私たちに使わない水道の蛇口は閉めること、外がまだ明るいときは電気をつけないこと、と言い聞かせてきました。「大きな電球を日中12時間つけたときの電気の使用料はいくらだ?」
「お手本を見せて人をリードする」というのが私たちの間のポピュラーな引用の言葉です。私には両親以外に、2人のとてもスペシャルな人がいます。彼らは、希望をもって事を行うという良い例をみせてくれているのです。私たちも同じようにしなければと思います。
1人目の人に会うには、MSN 学習センターへ行ってください。そこのリムさんがそうなんです。彼は私に科学と算数を教えてくれました。学生がアルミ缶に入った飲み物を飲んでいると、リムさんはいつもその空き缶を集めて、それを必要としているところへ寄贈します。彼によれば、これは汚染を減らすだけでなく、何千という缶が集まれば、膨大な差がでます。すなわち障害者の車椅子を買うことだって出来るのです。私の一番の友人のヴィヴィアンと私はリムさんのその熱意に尊敬していますので、彼の助けになることが出来るときはいつも加勢をします。
もう一人の人は、やはりセンターの先生で、私の英語の教師のリムさんです。彼女は紙を救うことに夢中です。こっちのリムさんはどうやってそれをするか?彼女は魔法でも使っているかのように、上手に、生徒に渡す計算用紙の余白にコメントを押し込めて書いていきます。
父は、都市の空気の状態が悪化してきていると絶えず文句を言っています。父は、そのことで私たちが病気にかかる危険性のことを心配しているのだと思います。父としての役割をする意味で環境のために、父と友人は、出来るだけ自動車の相乗りをすることにしました。そして私と友だちも同じことをしています。さらには、私の両親はいつも車には無鉛ガソリンを入れます。たとえ、レギュラーより高くても、無縁ガソリンのほうが環境を少しでも汚ごさないからです。
弟と私は自動車の運転はしないので、目的地が近いところだと歩いていくか自転車で行くようにしています。ほとんどの人が、私たち「リサイクル屋」がどんなことをしているのか、またその行動の意義を知りません。でも、たとえ小っさな子供でも、その気持ちがあれば、私の意見では、何かしら違いを見せることが出来ると思っています。私たちは何かとても価値のあることをしているのだと強く感じています。そしてもっと多くの人が違いを作れるように、手助けをしてくれることを希望します。結局、ここは私たちの地球なんですから。それに私たちが守らなければ誰が地球を守るのでしょうか?分かりませんよ、もしかしたら将来は「リサイクル屋」が世界規模の組織になっているかもしれません。だから、私は違いを作れる14歳として私の役割を続けて行こうと思います。
2004年 特別賞(中学生部門)
マレーシア セコラ・メネンガ・ケバングサアン・イブラヒム学校 中学2年 マニマアリニ a/p クナセガラン