こんにちは,私はたんぽぽ.今から私が体験したお話を聞かせるわね。
ある日,私はお母さんのもとから離れ,風に乗って飛んでいったの.
私はあの湖の近くに生えているきれいな草の上にそっと座ったわ.
空気もさわやかで静かなこの場所がとても気に入ったの.
私はここに根を下ろして住むことを決めたのよ.
ところが,突然ある人が,白くて端から煙が出る小さなものを私の横にポイッと捨てて行くの.
その煙はとても煙たかったわ.
他の人たちも次々と私の横にゴミを捨てていくじゃないの.
私はこ こに根を下ろすのが嫌になって,また風に乗って他のところに飛んで行ったわ.
どのくらい飛んだかしら?私はとうとう私が住みたいところを見つけたの.
少し田舎の農村だけど,夜には蛙の鳴き声も聞こえたし,昼には畑仕事をしに来る牛の元気な鳴き声も聞くことができたわ.
空気も本当に澄んでいてきれいなの.
私は徐々に土の中に入っていったわ.土の中で体をくねらせていた私は外に出ようと出せる限りの力を使ったの.
ボコッという音とともに私は外に出たわ.
ずいぶん久しぶりに新鮮な空気を吸って嬉しかった.
地球にこんなきれいな環境がたくさんできればいいのに.
数日後,どこからか大きくて変な音が聞こえたの.「ブルルン」って.
それは私の横を通り過ぎたんだけど,その音は,青い門の家の牛の鳴き声よりもずっと大きかったわ.
それは4つの丸い足で這って歩いていて,尻尾からは黒い煙が出ていたの.
私の前を通り過ぎると,ひどい臭いで鼻が痛かった.もうあんなものが私たちの村に来なければいいのに.
私が花を咲かせたある日,村の子どもたちが川辺でザリガニを捕まえるといって出ていったの.
子どもたちが笑う声を聞いて私も一緒に行きたい気分だった.
少し経ってから,体に黒い染みのようなものをつけた子どもたちが泣きべそをかいて帰ってきたの.
どこからか汚い水が川に流れ込んできたからですって.
どうして汚い水がきれいな川を汚すのかしら.川に汚い水を捨てないようにできないのかしら.
いつのまにか私の花からは私の赤ちゃんたちが生まれはじめたわ.少しずつ少しずつ白い毛ができてきたのよ.
もう私の赤ちゃんたちは私を離れて地球上のあちこちに飛んでいくでしょう.
でも私の赤ちゃんたちが私みたいに汚い環境に出会ったらどうしましょう?
地球の人たちが美しく清潔な地球を作るため努力してくれたらいいのに.
私の赤ちゃんたちが幸せに花を咲かせられるようにね.
ここまで私の話を聞いてくれたお友達のみなさん,あなたは私のお願いを聞いてくれるかしら?
2004年 特別賞(小学生部門)
韓国 ソウルKumsan初等学校 6年 姜朱賢