2005年度地球こどもクラブ賞(中学生部門)〜『もったいない』を通して

「地球を守る」と聞いて思い浮かんだことは、国連でケニア環境相のワンガリ・マータイさんが、日本語の『もったいない』について力説したことだった。それは、消費削減(Reduse)再使用(Reuse)資源再利用(Recycle)修理(Repair)の四つのRを日本では『もったいない』という一つの言葉で表している。そして世界的に『Mottainai』キャンペーンを展開したいという内容の演説だった。

私はそれをニュースで知ったとき、頭に電気が流れたような衝撃を受けた。『もったいない』は、私の中でも隅の方で縮こまっていた言葉だったからだ。私はそのテレビに釘付けになった。さらに、ニュースキャスターの「あなたは最近『もったいない』を使いますか。」という質問に対して、日本人の大多数の人が「使わない。」「久しぶりに聞いた言葉だ。」と答え、私は私と同じように『もったいない』を忘れてしまった日本人がたくさんいることを知った。

なぜ『もったいない』は忘れ去られてしまったのだろう。国語辞典で『もったいない』を引いてみると、次のような意味が載っていた。(1)無駄にするのがおしいこと。(2)ありがたいこと。マータイさんの意見には(1)の方が適切だろう。これを踏まえて考えてみると、『もったいない』が忘れ去られてしまったっことは、世の中の変化が原因なのではないかと思った。

自然や動物と共に生き、様々な神をあがめ、物を大切にしていたころの日本に比べると、今は機械やロボットが発達し、物も簡単に手に入る先進国の日本になり、とても便利だ。

しかし、その便利さと引き換えに忘れてしまった心、その中に『もったいない』も含まれているのではないだろうか。人間中心の利己的な生活のせいで自然も減り、動物は絶滅の危機にさらされている。

つまり、『もったいない』には、物を大切にすることと同時に、自然・動物・様々な神への敬意の念も含まれているのだと私は思う。

だが悪いことばかりではない。日本は太陽光発電や風力発電といった、新たな地球にやさしい策を実行している。現に、日本の太陽光発電の量は世界一である。

自然を破壊するのも、自然と共存することも私たち人間次第だと思う。しかし、自然が地球が人間を生かしているのだ。『もったいない』は毎日を普通に過ごしていた私に改めてこのことを思い出させてくれた。

あのニュースを見てから、ゴミ箱の前に立つともうこれは本当に使えないのかと、一瞬立ち止まって考えるようになった。その使い道を見つけたときの喜びが、今はやみつきだ。

2005年 地球こどもクラブ賞(中学生部門)
静岡県 中学2年 野田 ゆりえ