先日、僕の母校の同窓会が開かれました。
僕は、会の時間より少し早く行って、校舎の中を見て回ることにしました。
校門を入ると、すぐ屋上を見ました。一昨年設置された、ソーラーパネルが青く光っていました。今でもきちんと動いています。校庭の奥の方を見ると、風車がありました。「何で風車が。」と思って近づきました。しかし特別説明するものもなく、結局、何で設置されたのか分かりませんでした。
すると、開会の時間になったようで、友達が校舎の中に入って行きました。
僕も急いで会場に向かいました。そして会が始まりました。最初は、PTAの会長さんのお話でした。
「皆さん、元気でしたか。学校を見て、どう思いましたか。校庭の奥にあった風車に気がついたでしょうか。あれは、風力発電の機械です。ここ麹町小学校は、とにかく地球環境を良くすることを考えています。後で見てみて下さい。」
僕は、「えっ。」と思いました。そして話が終わるとすぐ、会長さんの所に行きました。
「何で風力発電の機械なんか作ったんですか。」
会長さんの答えは、素早いでした。
「地球環境を良くするためです。」
僕は、間髪をいれず言いました。
「風力発電を東京の真ん中に作ったって、何の役にも立ちません。風が無いんだから。むしろ、作るのに器材を使ったから、環境破壊だと思います。」
会長さんを見ると、烈火のごとく怒っていました。
「ふざけるのはやめなさい。風力のような地球環境に良いエネルギーを利用して何が悪いの。」
僕は、あわてて言いました。
「風力発電の機械を建てるなら、海岸や山の頂の方がいいと思って。」
「そうか。でも言い方に気をつけなさい。」
僕は、「はい。」と言いつつ、「もったいない。」と思いました。
今年の二月、ノーベル平和賞を受賞したケニアのマータイ環境副大臣が、来日しました。この時副大臣は、『もったいない。』という日本語をほめていました。僕は自分で、「もったいない。」と言って気づきました。地球環境を守るには、常に『もったいない』感覚が必要だと。
僕は、都心の学校への風力発電の設置について何度も考えました。そしてやはり風力発電を作るなら作るで、前からじっくり話し合って、できる限り無駄をなくして作ってほしいと思いました。
日本には、まだまだこのような例が存在すると思います。何も考えずに作り、後悔することが。僕は、『もったいない』感覚で計画し、実行することが大切だと思いました。
2005年 優秀賞(中学生部門)
東京都 中学校3年 岡部 憲和