2005年度審査委員長賞(小学生部門)〜足元から行動しよう

昨年の7月、私の通っている小学校は『ISO14001』の認証を取得しました。

しかし、ISOが一体なんなのか私は気になって仕方がありませんでした。

そこで、校長先生に伺うことにしました。先生は、ISOが地球環境をよくするための活動の方法を示したものだと説明してくださいました。しかし私には、学校とISOを結びつけられませんでした。

次に私は、千代田区役所環境土木部のISO推進担当の松下先生と千代田区教育委員会のISO担当の長田先生に伺いました。その結果、ISOを取得した場合、使わない部屋の照明の電気を切ったり、コンセントを抜いたりし続ける必要があると知りました。

しかし私が、「学校ではISOの説明が全くない。」と話すと「副校長先生が電気を消して歩く姿を見て、子どもに気づいて覚えてほしい。」と言われました。私は、何か違うと思いました。伝統工芸なら、技をきわめるのに気づいて覚える事も必要だと思います。しかし、実際ずっと地球上にあった石油が、四十年後になくなると言われています。人類のためになったエネルギーが、この世から一つ消えるのです。しかも私たちが、社会で責任を負うようになっている時に。

私はそれを想像するだけで、とてもこわくなりました。だから、気づくのを待っている余裕などないと思いました。

「私たちが自然に気づくようにするより、なぜ電気をこまめに消さなければいけないのか、はっきり教育した方が子どもにはわかりやすいし、実際に動きやすいのに。」と、私は心の中で叫びました。

また、説明を伺って、ISO認証を全国で一万八千件ほどが取得しているのに、学校は九十件だけと知りました。私は、ISOの取得校の重みを実感しました。そして、「学校に比べ、会社はとても多い。でも、影響力は学校の方が絶対にあると思う。だって親も地域もくっついているんだから。」と思いました。私はやはり、学校でしっかり教える事から始め、地域、国、世界へと環境の重要性と地球環境を守る活動を広めて行かなければならないと思いました。

先日、千代田区の石川区長さんからお手紙をいただきました。

「本を読んだだけでは、環境はよくなりません。環境問題に対応していくために、全地球的規模で考え、自分たちの足元から行動しようと、ISOの取得に取り組むことを千代田区環境方針で言いました。」

私はなぜ、ISOを取得したのかよくわかりました。そして私は、これからも足元から行動し、他の小学校、中学校、高校、大学、地域をまきこみ、社会を地球にやさしい方向に大きく変えていこうと思いました。

2005年 審査委員長賞(小学生部門)
東京都 小学校6年生 岡部 達美