2006年度特別賞(中学生部門)〜あなたの美しい惑星を守るためにあなたは何をしますか? 【私の美しい庭】

保護とは、私達の身の回りのものや自然を保ち、世話をすることによって、それらが私達と共に長い間、存在し続けるようにすることです。この地球上の自然が私達と共にあり続けるように、私達はみんなで力を合わせてこの地球上の自然を守る義務があるのです。

マミィアウ(フトモモ科の果樹「チョムプー」の一種)とは私のあだ名。その意味は祖母の庭にある果物の名前です。祖母が私にそのあだ名を付けてくれました。私が生まれた時、私の肌は真っ黒で、祖母の庭にある果物の色に似ていたからだそうです。

私がまだ幼い頃、両親は私を祖父母の元に預けました。祖父母は歳をとっているので、家にいて、庭に木を植えていました。伯父や伯母達は仕事に出掛けますが、毎朝私達を起こしてくれるのは、祖父の飼っている鶏や運河沿いに棲んでいるカラスの鳴き声でした。鳥の鳴き声はとても大きく、村中に響き渡るほどでした。祖母は目覚めると、急いでご飯を炊きます。僧侶に差し上げる為の準備です。朝、祖母は近所の人と一緒に家の前に立って、僧侶を待ちます。祖母が僧侶にご飯を差し上げた後、家の人は皆、仕事に出掛けます。祖父母は私を家の裏にある庭に連れて行きます。祖母が番犬として買っている犬は何匹もいましたが、その犬達も私に付いて来ます。私の可愛がっていた犬はカーウと言い、左の白目に茶色の点がありました。この犬は祖母が可愛がっていたティントンの子供でした。

運河沿いには竹の木が列になって生えていました。竹を植えたのは祖父です。私は祖父になぜ竹だけ植えたのかを尋ねたことがあります。祖父は「竹の根には、土が水と一緒に崩れて流されないようにする力があるのだ。それに乾いた笹で肥料を作ることもできる。」と答えました。私は祖父が笹を拾い、竹編みの容器に入れるのを祖母が手伝っているのを見たことがあります。それを持って、穴の中に入れて他の枯葉と一緒にするのです。それから牛の糞も一緒に入れます。枯葉と糞が柔らかくなった頃、祖父はそれをすくい上げ、木の根元と野菜栽培用のうねに沿って入れるのです。祖父は「枯葉と牛の糞は自然の肥料で、金がかからない。自然の肥料は土壌を破壊しない。」と言いました。

休日、伯父は運河に沿って座り、よく魚釣りをしました。釣り針に引っ掛ける餌は、湿った地中に棲むピンク色の長いミミズでした。伯父は木の下の土を掘って、ミミズを探していました。伯父はこんなことも話してくれました。「ミミズは魚が食べる以外に、囚人もよく食べる。ミミズには内出血を治す力がある。囚人達は罰を与えられたり、囚人同士で時々お互いを傷付け合う時がある。それでミミズを食べる。ミミズは生で食べなければならないんだ。」伯父は時々、黄色い石鹸を使って魚釣りをしていました。伯父は黄色い石鹸を切って、四角いかたまりにしていました。黄色い石鹸を食べるのはナマズです。雨季になると、伯父と祖父は夜釣りに出掛けました。日中、祖父は餌に石鹸を付けて、準備します。昼と夜で使う釣竿は異なります。夜用の釣竿は昼用より短くて小さい。なぜ釣竿は昼用と夜用とで違うのか、私は伯父に聞いたことがあります。伯父は「夜、魚は岸の近くで泳いでいる。夜釣りは昼間の釣り(注:昼間魚は岸の真ん中で泳いでいる)と違って、魚が餌に食いつくのを座って待っている必要がない。だから小さくて短い釣竿を使うんだよ。」と答えました。祖父は岸の縁に何本も釣竿を挿しておきます。朝、まだ暗いうちに祖父はその釣竿を片付けに出かけます。魚が釣れる時も、釣れない時もありました。たくさん釣れた時、祖母は私とカーウ、ティントンの為に、魚を焼いてほぐしてくれました。私は魚を焼く七輪の傍に座っているのが好きでした。魚を焼く良い香りがすると、よだれが出たものです。私はマッキーソース(注:商品名)をつけて魚を食べるのが大好きでした。

昼間、私はいつも祖父母と庭にいました。私が眠くなると、祖母は気にくくり付けているハンモックに寝かします。祖母はハンモックに結んでいる紐を引っ張り、ハンモックを揺らします。私が眠ってしまうまで、祖母は紐を引き続けます。私は祖母にハンモックを揺らしてもらい、眠るのが好きでした。

私の玩具は祖母が拾ってくれた葉っぱや、花でした。祖母は私がクロック屋さんごっこ(クロック:小さく丸い形の菓子で、たこ焼きの様に丸い窪みにうるち米の粉を入れて焼きあげる)ができるように、地面に小さくて丸い穴をたくさん空けてくれます。私は土を水と混ぜて粘り気を出し固めて、その小さな穴に流し込みます。お菓子の上の飾りにするために、祖母は小さな花を拾ってくれます。私のお菓子を買ってくれるのは、祖父母でした。祖父はお菓子を入れる皿として、葉っぱを持って来てくれました。時々、お菓子を売るのに飽きてしまうと、今度はおそばを売ります。祖母は葉っぱを細く切ってくれます。どんぶりは椰子の実の殻です。祖父は竹の筒に水を入れて、ぶら下げておいてくれます。祖母がおそばを買ってくれると、私は葉っぱで出来たそばを殻に入れて、小さな花をその上に振りかけます。そしてどんぶりの中に竹の筒から水を注ぐのです。祖母がチャーハンを買う時は、土と水を少しと、祖母が切ってくれた葉っぱを殻の中に入れます。そしてその上に祖母と私が道端で拾って来た花を振りかけるのです。

休日はいつも、両親と兄が私を訪ねて祖母の家にやって来ました。両親はプラスチックで出来た色々な種類の玩具をお土産に買って来ます。その中で特に私は熊のぬいぐるみが好きでした。母は私の為に、変わった玩具を買ってくれます。しかし祖母は「高いばかりで、どうせすぐに飽きてしまうよ。」とよく小言を言いました。私は祖母に「私は飽きないよ。私はお母さんの買ってくれた玩具で遊ぶが好き。おばあちゃんの玩具で遊ぶのは飽きちゃった。」と言いました。「マミィアウは何でも飽きてしまうと、捨ててしまうんだね。」と祖母は言いました。

私には遊び友達が増えました。それは熊のぬいぐるみです。木の下にあるハンモックの中にぬいぐるみを入れて揺らすのです。私がお店屋さんごっこをする時も、熊のぬいぐるみは私のお客の仲間入りをしたのです。

私は祖母が木に水をやるのを手伝いました。朝、祖母は小さなバケツを私に持たせ、私はレモングラス、バジルの葉、ナスの木、緑と赤の種子の付いた唐辛子の木に水をかけます。祖母は台所で使う野菜をよく植えていました。おかずにして食べられるからです。夕方、スープを作る時、祖母は私を誘ってスープに入れるナス、バジルの葉、唐辛子を摘みに出かけます。祖父がナマズを釣った時は、祖母は祖父の大好物「ナマズの唐辛子炒め」を作ります。祖母は「おじいちゃんは辛い料理が好きなのよ。」と言いましたが、私はまだ子供なので、辛いものは食べられません。

私は小学校へ入る準備のために、幼児用の学校に通っていました。最初、学校に行った日、私は他の子供達と遊ぶのが好きではありませんでした。なぜなら他の子供達は私の玩具を横取りするからです。それに友達が私の頭にシラミを置くのも嫌いです。シラミで頭がずっと痒くなってしまいます。子供の頃、私は髪の毛の薄い子でした。それで伯母が紫色のチョウマメの花を摘んでそれを潰し、水の中に入れたものを私の頭にパックしました。大きくなると髪がたくさん生えてきて、学校へ行くと頭にシラミが付くようになりました。

それで伯母は祖母の庭のノイナー(バンレイシ科の果樹・釈迦頭)の葉を摘んで、潰し、それでまた私の頭をパックしました。それは臭くて、色の黒いものでした。しかし、少しパックしただけで効果がありました。シラミが髪の毛を伝わって簡単に出て来て、私の頭から駆除されたのです。それから休日はいつもパックしなければなりませんでした。

大きくなって、私は幼稚園に通わなければなりませんでした。そこで両親は一緒に生活するよう、私を迎えに来ました。最初私は祖母が恋しくて泣きました。学校へは行きたくありませんでした。私は庭で祖父母とお店屋さんごっこがしたかったのです。学校には玩具がたくさんありました。校庭にはブランコ、滑り台、子供の家がありました。でも私は好きではありませんでした。みんな、他の子供達と取り合いになってしまうからです。私には祖母と庭で遊んでいる方が良かったのです。そこでは誰も私のものを取り上げて遊ぼうとはしません。そこには私を遊ばせるための玩具を捜してくれる祖母と祖父がいました。

 土曜と日曜は休日です。両親は私と兄を連れて、祖母の家に泊まりに行きます。私と兄は自転車に乗って、祖母の庭の周りに向かいます。祖母の家の庭の周辺に伯父と伯母が家を建てて住んでいるので、そこに会いに行くのです。私と兄は庭に飛んでいる蝶々を追いかけるのが好きです。両親は私達に「子供時代の環境をあなたたちが忘れないように、コンピューターゲームで遊ぶのをお休みするために、車の排気ガスや埃、騒音だらけの都会から抜け出して、新鮮な空気を吸うために、休みの日はいつもお祖母ちゃんの家に連れて来なくてはならないね。」と言います。

私たちの地球は人間によって、物凄いスピードで変化しています。珍しくて、新しい玩具が作られ、子供たちは夢中になり、それらを手に入れたいと思います。しかし、その原料は分解することの難しいプラスティックなのです。ある玩具には分解することがとても難しい電池が入っています。そしてそれは環境汚染を引き起こすのです。私は子供達みんなが、祖母の庭にあるものと同じ玩具を持っているといいと思います。それらの玩具は簡単に分解され、溶けて、自然や環境を破壊することなどしません。私は子供達みんなが、自然と共に遊ぶ機会を持つことによって、私達人間と共に自然が永遠に生き続けていくよう、お互い協力して自然を愛し、保護する意識を養うことができると思います。

2006年 特別賞(中学生部門)
タイ 中学校1年 パンティパー トーンチゥート