「ペットボトルはリサイクルするのに、どうしてキャップは捨てるの?」
エコクラブで、ペットボトルについて考えた時に出てきた疑問だ。ペットボトルほど、キャップのリサイクルは進んでいないようだ。リサイクルができれば、キャップを捨てなくてすむ。ゴミを減らし、人の役に立つ事ができないかと考えた。ぼく達の考えは、リサイクルの対価で、世界の子どもにワクチンを届ける事が出来ないかという事だった。キャップ二千個で一人分のワクチン代金になるらしい。
いくつかの企業が、ぼく達の活動に協力してくれる事になった。ぼく達がキャップを集めて、企業がキャップを運んだり洗ったりしてくれる。洗ったキャップを、プラスチック業者がリサイクルし、その対価をワクチン代金として寄付してもらう事になった。
ぼく達は、どうすればキャップがたくさん集まるか考えた。ぼく達のエコクラブがあるイオンの店頭に、キャップ回収ボックスを置いた。地域の人が、買い物のときにキャップをボックスに入れてくれる。ぼく達の活動を知って、市内のいろいろな企業や学校からキャップがたくさん集まった。
ぼくの学校にも協力してもらった。お母さんは、ぼくの学校に勤めているので、校長先生にみんなで協力して集めてくれるようにお願いしてくれた。学校のみんなが、大きな袋にたくさんのキャップを集めて持ってきてくれた。一人でも多くの人の命を救おうと、みんな一生けん命にキャップを集めてくれた。ホームページを見て、東京や壱岐など、遠くからも送ってくれた人がいて、あっという間に、ぼくの学校だけで百人分をこえた。
この活動を通して、ぼくもみんなもキャップに対する考え方が変わったと思う。今までゴミとして捨てていたキャップで、子どもたちの命が救えるなんてすごいと思った。ペットボトルキャップが宝物のように見えた。今まで、環境のためになる事しか考えなかったけど、少し工夫すれば人の役に立つ事もできるんだ。
お金は、「世界のこどもにワクチンを日本委員会」に寄付することになった。十二月に、細川代表を招いて贈てい式が行われた。六月から十二月までの活動で、二千人分のワクチン代金を届ける事ができた。計算すると、四百万個のキャップを集めたことになる。半年でこんなに集めることができたなんてすごいなと思った。贈てい式で細川代表が、
「ゴミだった物が生かされて人の命を救えるなんて、すばらしいと思います。」とお話になった。本当にそうだなと思った。
ぼくは、この活動が全国に広がればいいなと思う。地球に住むみんなが幸せになれるようにがんばろうと思う。
2007年 審査委員長賞(小学生部門)
福岡県 小学校6年 栗原 万誉