文部科学大臣賞(小学生部門)
『この新鮮な空気をいつまでも』


新潟県

新潟大学教育学部附属新潟小学校6年生

相澤 知里/Chisato Aizawa

  

「おはよう。」

カーテンから、朝の日差しを感じとりながら、遠くからお母さんが朝食の準備に取りかかる様子を感じる私。少しずつ、お母さんの気配を感じるころには、私の体もすっかりきのうから生まれ変わっている。目を開けると、今日の日差しがカーテンを越え、私を迎えに来てくれているようだ。

「よし。今日も一日がんばるぞ。」

と、思うと同時に、お母さんの手でカーテンの幕が開けられる。窓が開けられると、一晩家の中でやすんでいた空気が一斉に外へ飛び出していく。入れ替わるように、朝の新鮮な空気が私の体を包んでくれる。ひんやりとした空気がほほにやさしい。この一瞬がたまらなく大好きだ。

 五月は、季節の中で一番からだにやさしい季節。だから大好きなんだ。

 小学校に入学してから、私の誕生日に心にきめたことが一つある。それは、朝のごみを出しに行くこと。着替えをさっさと済ませると、曜日ごとに記憶したごみを取りまとめて、ごみステーションまで運ぶ。二つ、三つと並べられたごみの隣に我家のごみをそっと置く。私よりももっと前に、この朝の空気を感じている人がいるんだなぁ。私はからだ中の空気をこの新鮮な空気と入れ替えながら、家に戻り、学校の準備を始める。

「どうしたら、この新鮮な空気を守り続けていくことができるだろうか。」

「空気はからだ中をめぐり、街中をめぐり、世界中をめぐり、地球全体を駆けめぐる。」

今私にできることは、日常の小さな約束を守っていくことだと思う。私の街で約束された家庭ごみの分け方、出し方をしっかり守っていくことから始めよう。燃やすごみ・燃やさないごみ・粗大ごみは有料。プラスチック製容器包装・ペットボトル・飲食用びん・飲食用かん・古紙類・草、草・有害、危険物などの資源ごみは無料。これにはきっと、意味があるのだろう。自然を守り続けるための。

 私の生活、街、世界、地球、宇宙と大きく考えていくと、一番約束を守っていかなくてはいけないのは、私達一人一人だと思う。だから私は約束を守っていきたい。大好きな五月のお誕生日に決めた初めての私の役割だから。

 未来の地球も宇宙も私達の一歩から守り続けられるはず。

 ありがとう、朝の空気。

 ありがとう、朝の日差し。

 ありがとう、大地のめぐみ。

 ありがとう、太陽のめぐみ。

 ありがとう、海と川と水。

 ありがとう、地球。

いつまでも、みんなの笑顔が続きますように。

 大きな輪をつくろう。

 地球の命と私たちの命のために。