高円宮賞(中学生部門)
『「無駄」から商品』


三重県

高田中学校1年生

伊藤真之介/Shinnosuke Ito    

  

小さいころから、家族の買い物によくついていった。そして売り場を見て回るのが好きだった。今でもそうだ。

ホームセンター文具売り場でいつもと同じようになにげなく文具を見ていた時のことだ。ふと、何か袋づめされた白いものが目に飛びこんできた。何かと思ったら消しゴムだった。どうも、消しゴムを作った時の残りの端切れらしい。

いままで無駄になり、捨てられていたであろう消しゴムの端切れを、なんと、そのまま商品にして袋づめしてあったのだ。形も大きさもまちまちで一センチメートル角のものから普通の消しゴムより少し大きいものまでばらばらに入れられていた。使うのにも、普通の消しゴムのように不都合なく使えそうだ。しかも値段が安く、普通の消しゴム三個くらいの値段で三十個も買えるというのは、ぼくとしてはうれしい。

その商品を見ていた時、こういう無駄になってしまっていた部分を再利用し、商品にしていたものを思い出した。それは木材だ。余った木片などは細かく砕いて粉にし、接着で固め板を作っているからだ。それを知ったのは技術の授業でだ。そこで、ぼくは、木は残す所がなく、全ての部分が役に立っているんだと感心した。不揃いの消しゴムを見つけて、無駄なくそのまま商品にしているというアイディアがわかり、もっと他にも何かあるのじゃないかと思い考えてみた。そうしたら、食品ばかりだがパンの耳やハムのはしなどが安値で、しかもたくさん入って売っていることがわかった。これは料理すると、とてもおいしい。

消しゴムを買い、家に帰ってから、ためしに消してみた。とてもよく消える。今では、形や大きさが少しでも不揃いだったら規格外になるであろう。そして、カバーのデザインなどもいろいろある。手がこみすぎている気がする。今はよく消えるという本来の役割を果たしていない消しゴムも多い。でも、それも人の好みに合い、良いと思う。しかも、消しゴムの売り上げも上がるのだろう。けれどよく消えれば一個一個大きさや形が違う消しゴムの方がぼくは好きだ。決まったことにとらわれずに一つ一つが全て違う、それもいいと思う。

今まで目を向けず、捨ててしまっていた無駄な部分を利用しようと考えて売り出した人はすごいと思う。無駄な部分をなくすことはささやかなエコにつながると思う。これからもこういうことを見のがさないようにして過ごしていこうと思う。