今、この地球にいる人々は生きているものを大切にしているだろうか。
私たちの身の回りには数えきれないほどたくさんの生き物が存在している。しかし今では温暖化や空気汚染などで絶滅する動物ができている。しかし人間は動物が絶滅しようが倒れようが勝手な行動をとっている。でも、私たち人間は動物がいなくては生きていけない。セーターを作るにも羊の毛が必要になるし、何より私たちがこうして何不自由なく過ごせるのは食料だ。私も今元気で過ごせているのはニワトリや牛などの様々な生き物たちのおかげだ。その中には人間の食料になるため死んでしまう動物もいる。動物たちの命を犠牲にして私たちは動物を犠牲にしなくてはいけない。その代わり私たち人間は生物たちになにをしてあげればよいのかー。
私の家の近くには三大砂丘でもある中田島砂丘がある。砂丘に遊びに行ったことがある。その海岸付近にウミガメの卵がいくつかあった。そこにいたおじさんがまだ産卵されたばかりの卵を触らせてくださった。形は卓球の球みたいに丸く、少し強く握ったら潰れそうだった。この中なカメの赤ちゃんがいるんだと驚いた。ちょっとした生命力を感じられた瞬間だった。
今砂丘の砂が以前より減ってきている。原因は海に砂を持っていかれたのだ。この砂丘の砂を守るために堆砂垣を作った。堆砂垣とは砂が海にひきずりこまれないように壁の役割を果たすものだ。しかしこの作業には一つ問題がある。一見砂にも良いし何の問題もないように思われる。では何に悪いかというと海にいる生き物、つまりウミガメに害があるということだ。砂丘を守るために作った堆砂垣がかえって生き物に悪い影響を与えてしまう。なぜなら堆砂垣でウミガメは海岸で卵を産むことができなくなってしまうからだ。こうして自分たちの身を守るためには他の物を失わなければならないことを痛感した。でも私は悔しい。人間は周りの事よりも自分を守ろうとする。自分第一だ。もちろん思いやりのある人だっている。私たちはもっと周りの人に目を向けなければならない。これからは砂丘を守れる、生き物も守れる活動に積極的に取り組もうと思った。
今では自分の身近なところで自然を守ろうという活動を行っている人たちがいても「面倒くさい」という冷たい気持ちで私は見ていた。今になって私は頑張っている人たちになんてひどい気持ちを持ってしまったのか。とても悔しい。私が自然にとってできることはちっぽけだと思っていても、やってみると一つの生き物の命を救えるかもしれないのだ。自分の力を信じることがこの地球を救える第一歩だと思う。
2006年 審査委員長賞(中学生部門)
静岡県 中学2年生 久野 歩実